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1990年代初頭に日本で外国人として企業を設立することは、ビジネスノウハウ、資金調達、お取引先との関係性構築など、数々の課題を乗り越える必要がありました。幸いなことに、私は日本に来てからの13年間に2つの大手国際企業で働いた経験があったため、ニューポートを設立するために必要となる経験や資金など人脈を活かし、私はオフィス、銀行、運送業者、倉庫などの主要な供給業者とスムーズに契約を進め、2か月ほどでこのビジネスを立ち上げることができました。 

 

日本で新規事業を立ち上げる際、最大の課題となるのは資金を見つけることです。軌道に乗るまでの数年間は、個人の貯蓄と取引先の寛大な対応により何とか乗り切ることができ、数年で銀行からの融資を受けられるまでになりました。 

 

次の障害は他社とのビジネス競争でした。当時の日本では、価格よりもブランドを重視する消費者が一般的だったと思います。しかし、製造を中国工場にオフショア化する動きが本格化し、ディスカウント小売業者も既に市場に参入していました。低価格の消費者向け製品は、ドン・キホーテやダイソーなどのディスカウントストアが比較的新しく、低価格の商品に対する需要が進んでいませんでした。そんな中ニューポートでは、ノーブランドの電卓、玩具、キッチン用品を販売し、好調なスタートを切り、わずか数年で全国的な販売エリアを確立し売上げを達成していくことに成功しました。 

しかしながら、市場は変化するものであり、数年でディスカウント市場での競争力を失っていきました。これにより、低価格商品の販売からブランド化した商品のマーケティングへとシフトしていきました。 

 

中小企業としての成功は、革新と迅速な対応で成り立っています。そのため私たちは、絶え間なく変化する消費者製品の市場の中で、新しいブランドを迅速に展開していくことができます。弊社の一例として、LED照明の販売を企画し、サプライヤーと打ち合わせを始めてからからわずか5週間でその製品を小売チェーンに提供した例があります。いち早く市場に投入することにはリスクも伴いますが、私たちは常に「改善」のサイクルを用いて、適切な商品を適切なタイミングで適切な顧客に提供する強みを活かし、常に努力をしています。 

 

単に消費者製品を販売するだけでなく、ニューポートは持続可能な企業であるよう努力し、2002年以来ISO 14001認証を取得しています。ISO 14001は、組織内で環境マネジメントシステムを確立するための国際的な基準です。ニューポートの全スタッフは、社会、経済、環境の各目標に取り組む8つのチームのいずれかに所属しています。また取扱うブランドにおいては、関連するSDGs(持続可能な開発目標)と連携させ目標の達成に取組んでいます。企業としての成功と社会的な善行のバランスは、私たちの企業文化の基盤であり続けています。 

 

ニューポートを設立して30年経った現在も、日本は素晴らしいビジネスの場となっています。ただし、適切なビジネスパートナーや従業員、顧客を見つけるうえでの課題は少なくありません。数年前、ある同僚がこんなことを言っていました。 

「日本市場での成功は、象(大手企業)と直接競争を避けることから始まります。」と。 

 

大手企業と直接競合しない限り、ビジネスチャンスは十分にあります。市場と象(大手企業)は変わっても中小企業にとっては変わらぬ真理です。象(大手企業)の足元には、まだまだビジネスチャンスが広がっています。 

- Kevin McAuliffe, CEO

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